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武蔵中学校・高校紹介

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武蔵中学校・高等学校は東京都練馬区江古田にある中高一貫制の男子校です。わたしが通っていたころは中学で144人入学させ、高校からも30人ばかり中途入学を受け付けていたのですが、卒業後高校からの入学を廃止してしまったようです。高校から入学した人のほうが優秀だし、中学からの在学生へのいい刺激になっていたので、とても残念です。

武蔵は同じく御三家として呼ばれる麻布や開成と比べられることが多いですが、場所が場所なため西武(池袋・新宿)線沿線の生徒、そして埼玉から通学する生徒が多いです。恵比須にある麻布、日暮里にある開成はそれぞれ東京南部(および神奈川)・東京東部(および千葉)の生徒を集めているのとは対照的です。

6年間武蔵に滞在して思ったのは、この学校は自由な学校である、ということです。生徒があれをしたい、もしくはこれをしたい、と言えば誰かが手伝ってくれますし、生徒も好き勝手なことをしています。

また、旧制高校時代からの名残でしょうが、受験勉強ではなく学問をしろ、とことあるごとに生徒は刷り込まれます。実際、高校3年生になって学校で受験勉強をしようとしようとしたら「学校でそんなことをするな」と先生に止められました。たぶんこんなことを言われるのは日本広しといえど武蔵くらいでしょう。高校からの入学生は入学当初「」なんでこんな初歩的なことをやっているんだ」と驚くようですが、受験勉強という観点からはどうでもよいようなことを延々やっているので、そういうものを期待するなら開成で海城でも行ったほうがいいんじゃないか、とは思います ;-P

自発的な勉強を推奨することと並行に、授業はほぼ先生の趣味で進められます。中学1年のときは「政治経済」という授業で本を数冊読むのですが、わたしのクラスは福沢諭吉の「福翁自伝」をほぼ1年かけて読み、そのあと明治時代の諭吉の本のコピー(活字ではありません)を読む、といったような具合です。少なくとも中学生の間は勉強らしい勉強を教えてもらった記憶はありませんが、先生が楽しみながら授業をしているのをみると、勉強ってのは楽しいものなんだな、というメッセージは伝わってきますし、変に知識だけ増えて勉強嫌いになることなく学べたのは幸せなことだと思います。

武蔵の教養主義を特徴づけているのは第二外国語の重視というのもあります。中学3年生のとき、週2コマの第二外国語(ドイツ語・フランス語・中国語・朝鮮語の中から選択)の履修が必須であり、高1・高2高3とそれぞれ任意で中級・上級クラスを履修することができます。毎年上級クラスの生徒から数名が選抜され、提携校へと2週間交換留学します。わたしは大学生になってから留学していますが、高校のとき留学できていればなぁと思うことがよくあります(中国語を履修していて希望したのですが選考に漏れたので行けませんでした)。

勉強に関しては上に述べたとおりですが、部活については中高一貫のメリットが最大限に発揮されるところです。麻布や開成と違い武蔵は1学年150人前後と比較的人数が少ないため、部活は中高合同で行われることが多いです。最大年の差が6歳離れた人たちと交流することによってさまざまな刺激を受けます。また、基本的に中学から高校へはそのまま進学できるので、部活に精を出す人は中学3年生で受験勉強をする必要がないので思う存分部活に打ち込むことができます。それでとても成果を上げる人も入れば、いわゆる「中だるみ」になって無為に時間を過ごす人もいます(江古田にはゲームセンターや雀荘が多いので行く人は入り浸ります)が、いずれにせよ自由に時間を使えることは最大のメリットでしょう。

在学時には思わなかったのですが、卒業してから武蔵生じゃない人と話していると、武蔵のみんなは頭がよかった(勉強ができる、という意味ではありません)んだなぁ、としばしば思います。特に東大生は勉強はできる優秀な人が多いのですが、この人は頭がいい、と思うことは非常に稀です。武蔵の教育は全然別のところを向いていたのだな、といまになって思います。言い換えれば、武蔵生は(知識があるかどうかは別として)知的好奇心が旺盛な生徒の集まりですが、東大生は(知的好奇心があるかどうかは関係なく)知識がけっこうある学生の集団である、ということです。

もっとも最近は武蔵のそういったいい側面は消えていっているそうなので、いまはどうなのか分かりません。歴史も長い学校ですし、昔と変わらずいてくれれば、と思います。

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小町守 (奈良先端科学技術大学院大学), mamoru dot komachi at gmail dot
com
Mamoru KOMACHI (Nara Institute of Science and Technology)
Last modified: ÌÚÍËÆü, 21- 9-2006 20:25:54 JST