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TOEIC のススメ

大学の2年生にもなると TOEIC という単語くらいは聞いたことがあるかもしれません。いま自分がいる NAIST でも TOEIC のスコアを提出すれば英語の試験は免除になりますし、就職活動でも外資系を中心に TOEIC のスコアを求めらめることもあります。

この文書は、TOEIC ってなに? というレベルの学部1・2年生から、就職活動に使う3年生(理系だと修士1年生)、そして大学院入試で使う大学4年生を対象に、TOEIC の "攻略法" について説明します。とはいってもスコアを上げる how to は巷にあふれているので、ここでは TOEIC で「損をしない」ための基礎知識をもってもらうことを目標にしています。

TOEIC(トーイック)って、英語のテストであるということくらいは知っていても、受けたことない人は、高校の試験や大学入試のテストと同じようなもの? くらいに思っていても不思議はないですね。これは一般的には非ネイティブのビジネス英語の能力を測るテストだとされていて、会議がいつどこであるかとか、ビジネスレターのあて先が誰かとか、そういう仕事でよくありそうなテーマについてリスニング能力とリーディング能力をテストするためのものです。

英語の公開テストというと一般的には英検が有名だと思いますが、英検と比較すると

というところが大きな違いです。英検は日本国内のみですが、TOEIC は一応世界的な組織が運営しているテストです。(といっても受けているのはほとんど日本人と韓国人のみです。ちなみに韓国人は一流企業に入るとき TOEIC 900点あったりするのは普通だそうです。日本とはえらい違い……)

スコアで出るので毎回どれくらい上がったか知ることができる点はとてもいいですが、その日の体調次第で100点くらいは平気で上下するので、前日は徹夜しないなど、体調管理も重要です(別の言い方をするとあの人はあの人より100点高い、と言っても100点なら誤差の範囲なのでほとんど意味がないです)。スコアも2年間しか有効ではないので、大学生入ってから英語をがんばって勉強しない人は、大学入試で培った英語力は1年生の4月からなだらかにカーブを描いて下降していくのが常ですが、1年生のうちに受けておいて就職に使おう、と思っても無理です。(英検はそういうことがないので、他人に自慢したい人は英検がお勧めです)

また、これは誤解されやすいですが、書いたり話したりする能力を直接測ることはないので、TOEIC の点数がいくら高くても全然書けなかったり話せなかったりする人もいます。TOEIC は世界的に英語の試験の中でも断然「易しい」とされている試験なので、これで高い点数を持っているとしても全然使えない、というのは大いにありうることです。満点の990点を取った先からが勝負、ということも聞きます。

とはいえ、就職活動や入試で使う人はそんなことは気にしないでよいので、注意するべき点は TOEIC が英語の能力を見ていると思わず、「注意力」を見ていると思って受験することです。TOEICを受けたことがない人は、金額もそんなに高くないし、自分が本当にスコアが必要な時期の半年以上前に一度受けておくことを強くお勧めします。大学・大学院だと学内テストが割引もしくは無料で受けられることがあるので、模擬試験のつもりで申し込んで受けるとよいです。IP テストと呼ばれる学内・社内テストは公開テストの過去問をそのまま用いるので、スコアの信頼性も本番テストと同様とされます。ただし入試や就職活動では公式なスコアしか認めないこともありますので、学内テストはスコアの把握や練習に使うくらいの気持ちで、別途公式のものも受けましょう。とにかくリスニングはすごいスピードで先に進むし、リーディングは時間が足りないので、どれくらいの速度でやれば最後まで行けるか、どれくらいのスコアが取れるか、といったのを知ることが重要です。

TOEIC は月1回で、数ヶ月前から申し込まないと受験できませんし、スコアの返却にも時間がかかるので、「これは失敗した」と思ったときに再挑戦するためには、遅くとも半年前、できれば1年くらい前から受けておくとよいです。就職活動に使う人は、就職活動する前の年の夏休み明けに受験するくらいがちょうどよいです。だいたい自分がほしいと思う点数から50-100点低い点数が出るので、焦ってもう一回受けたいと思うはずです。ちゃんと焦りましょう(笑) 体調や慣れで100点くらいはすぐに変動するので、2回か3回受ければ結果は安定するはずです。

参考までに、大学入試で英語の勉強をした人はブランクがあっても基礎ができているので、低くても450点程度で落ち着くでしょう。偏差値と同じで真ん中の500点付近が中央に来るように点数が調整してあります。目安としては学部生なら文系で550点理系で500点、大学院生なら文系で630点理系で550点なかったら再受験したほうがいいと思います。よく言われるのは630点なかったら履歴書には書けないということですが、特に理系の人は500点台のものを書いても普通にいわゆる一流企業に入っているので、気にせず書いたらよいです。東大生の平均は730点くらいだという話です。

弟の友人の話ですが、彼は弟経由で「早めに受けたほうがいいよ」と言われたのを無視してひどい点数を取ってしまい、「こんな点数では書けない」と書かずにエントリーシートを出し、外資のコンサル大手6社全てで最終面接まで行ったのですが、どこでも最後が英語面接でことごとく落とされてしまったそうです。日本人が英語喋れないのは常識で、そこそこの点数を書いていれば、面接で全然喋れなくても基礎はできているから慣れれば話せると判断されたのでしょうが、点数がないとそういう判断をすることもできないので、残念なことになってしまったとのことでした。こういうことがないよう、実力相応のスコアが書けるようになりましょう。

最後になりましたが簡単なコツをいくつか。

リスニングは速くて1回しか流れないので、聞き取れなかった、と思ったら1問か2問捨てて調子を整えてください。あれ、なんだっけ? と思いながら上の空でマークすると、何問も続けて落とすことになります。また、大体選択肢は日本語で聞かれたら「ふざけんな、こんな馬鹿なこと聞くか」と思うような選択肢ばかりなのですが、ほとんどは最初が Who か Where か When か、最初の一単語を聞くだけで他の選択肢を見ないで決まるものなのに、後ろの文を聞いて惑わされる、ということがあります。文頭に集中して聞いて、あとは聞き流すくらいでよいです。 初めの方のセクションでは冒頭で例文が放送されますが、途中から例文の放送がなくなるので、ぼーっとしないよう気をつけましょう。

文法問題は大学入試の問題と比べると信じられないくらい簡単です。大体が三人称単数現在の s が主語と一致していないとか、時制が一致していないとか、代名詞の単数複数を間違えているといったものです。だいたい中学生の知識で解けるという目で見ると見つかると思います。

リーディング問題は大体設問と問題文の順番とだいたいの場所が一致していて、交差したりすることは滅多にないので、設問を見て「このあたりに答えが書いてあるはずなんだけど」と思って見つからない場合、ほとんど見落としをしている可能性が高いので、適当なところにマークして先に進んで、時間が余ったら見直ししましょう。冷静に考えると答えが簡単に見つかることがあります。

ではみなさん TOEIC での健闘をお祈りします。

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小町守 (奈良先端科学技術大学院大学), mamoru dot komachi at gmail dot
com
Mamoru KOMACHI (Nara Institute of Science and Technology)
Last modified: ¿åÍËÆü, 25- 6-2008 18:32:13 JST